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スポーツコーチとEQー優れた指導者はEQを発揮しているー

コラムニスト:三森 朋宏
TH design 代表。2010年にEQと出会ってから3000人以上にEQを伝える。
世界最大級EQグローバルネットワークSixseconds(シックスセカンズ)の日本の拠点であるシックスセカンズジャパン株式会社のデータ分析センターフェローとして活動する傍ら、スポーツ指導者としての顔も持つ。

 

 

 

 

 

 

私はEQの専門家である一方で、【公益財団法人 全日本スキー連盟 教育本部 スキー技術員】というスポーツ指導者でもあります。
子どもから大人まで、初心者から上級者(スキー指導員)まで「スキーを楽しみたい」「上達したい」と思う全ての人を対象にスキーを教えています。
また、同時に自身のスキー技術向上と指導力向上のためにデモンストレーターや先輩指導者からコーチングを受けるなど学び続けています。

そんな中で、教えることが上手な指導者は、情熱があり、学ぶ姿勢があり、スポーツを楽しむ姿勢があり、EQが発揮されていることを強く感じます。

本コラムでは「スポーツ指導者とEQについて」お伝えしようと思います。

近年、スポーツ指導者の行き過ぎた指導による子どもや学生の怪我や体罰が広く問題視されているにも関わらず後を絶ちません。
この原因の一つとして指導者がEQを発揮できていない(Emotional Intelligenceを活かせていない)ことが考えられます。
今回は、特に子どもから学生までのスポーツ指導とEQの関係についてお届けしたいと思います。

スポーツ指導において子どもや学生が「教えたことができるようにならない」とか「上達しない」原因として考えられることは大きく二つあります。

1.「スポーツ指導者の指導技術が足りない」こと

2.「子どもや学生の感情のブレーキを外せない」こと

1の「スポーツ指導者の指導技術が足りない」は、具体的には、「教え方の引き出し(方法)が少ない」か、「子どもや学生が出来ない原因を見出せない」ことが考えられます。

2の「子どもや学生が感情のブレーキを外せない」は、「子どもや学生のやる気スイッチを押せない場合」「指導者が自分の感情を上手に調整できない場合」が考えられます。

それでは詳しく説明して行きます。

スポーツ指導者の教え方の引き出し(方法)が少ない場合

指導者が過去の成功体験に縛られて他の方法を受け入れられない、考え方が固定化してしまい新しい方法を学ぼうとしていないことが考えられます。

これらの要因として、指導者がEQの基礎スキルである自己認識力が低いことが考えられます。スポーツ指導者が自己認識力が低いと子どもや学生が上達しない原因が指導者の自分にあることを認識出来ないために、自らが指導力を高める努力ができず子どもや学生の能力が低いせいにするでしょう。

成功体験に縛られ失敗から学ぶことが出来ない指導者は、自分の陥っている失敗のパターンを振り返ったり変えることが難しい状況にあるでしょう。自らが振り返り、失敗から学べない指導者に子どもや学生を育てることが出来るでしょうか?

先ずは、指導者自身が自己認識力を高め、いまの自分の状況を客観的に認識し、学び、改善できることが大切です。

 

子どもや学生が出来ない原因を見出せない場合

出来ないのは子どもや学生の能力不足だと決めてかかってしまうと出来ない原因を見出すことは難しくなります。「子どもや学生が出来ない原因はどこにあるのか?」共感力を持って観察すれば見出せるはずです。共感力はEQが高いほど働きます。未熟な子どもの指導においては、「出来ないことが当たり前」として、特に共感力を持ってよく観察し、何から教えれば良いか指導計画を考えて指導に当たることが大切です。

 

子どもや学生のやる気スイッチを押せない場合

子どもや学生のやる気スイッチ(内発的なモチベーション)がどこにあるかを知っておくことも大切です。また、恐れや不安を感じている場合には強制的にそれを乗り越えようとするのではなく、小さな成功体験を積み重ねたり、原因となっている癖を取り除くメリットを体験させることが大切です。

子どもや学生が自信を持ち、気持ちを落ち着かせることができれば、大事な試合でも実力を発揮できるでしょう。自信は日々の積み重ねによって作られます。練習では壁を乗り越えるための厳しさは必要だと思いますが、指導者が伴走して一緒に乗り越える気持ちを持ったり(ここでも共感力の活用が求められます)、乗り越えたり上達したことを指導者が子どもや学生に日々フィードバックする。気持ちを落ち着かせるためのルーティーンを練習でも毎回行うといったことが求められます。

 

指導者が自分の感情を上手に調整できない場合

スポーツ指導者の感情は子どもや学生に伝わってしまいます(感情は伝播する)から、指導者が気分にムラがあると子どもたちの気持ちは不安定になり練習や試合に集中できない状態になってしまいます。これでは上達どころか全く練習の効果が期待できません。指導者が子どもや学生に苛立ちを向けてしまうと恐れを感じて萎縮してしまい身体は硬直し上手に動けなくなり、実力を発揮できなくなります。

指導者は、自分の感情の浮き沈みを把握し適切に調整することが大切です。

スポーツ指導者はスポーツが上達し勝てるようにすることも大切ですが、それと同時に人の育成を担っていることを理解しておかなくてはいけません。単にスポーツの技術を高め試合に勝てることだけでなく、人としての在り方を伝える必要があり指導者自らが在り方を体現することが大切でしょう。

過去から現在に至るまで優れた指導者は、優れた人格者であり人としての在り方を示して来ました。

 

プレイヤーとして優れているか?コーチとして優れているか?の違いの大きな要因にEQがあると私は考えています。

名将と呼ばれた故 野村克也 監督はこう言い残しています。

財を遺すは下

仕事を遺すは中

人を遺すを上とする

「人を遺す」指導者にはEQが必要不可欠だと私は思います。スポーツ指導者向けのEQ講座も行っていますので、未来ある子どもや学生を共に育てていきましょう。

 

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