この度、3月29日にアイズプラスでは7回目となるEQ実践事例発表会を開催しました。
今回は数年間にわたり、企業でEQ研修を取り入れ実践されてきた方々の生の声を聴きながら、今後どんな風にEQを活かしていけるか、取り入れて行けるかと言うヒントをお伝えしていきました。
違いを力に!コニカミノルタの挑戦
5年前から女性キャリア形成支援施策としてEQを取り入れ始めたコニカミノルタ株式会社。
このEQを取り入れるタイミングで自らもダイバーシティ推進室(現在は、違いを力に!推進室)の管理職になった末永さんとそれに続くようにEQ研修を取り入れたグループ会社のコニカミノルタジャパン株式会社ダイバーシティ推進室の高須さんにお話をききました。
2017年にダイバーシティ推進室ができ、取組みの第一歩として、まずは女性のキャリア構築支援、能力開発、リーダーシップ力向上などを目的にプログラムを開始。女性社員だけではなく、ダイバーシティの本質理解、部下のマネジメント力強化などを目指し、上長とセットで約300名の方にEQの研修を受けていただきました。2003年にコニカとミノルタが統合した当初、女性管理職は1%程度、EQ導入時の2017年は4.4%が、ここ数年、毎年着実に増加し2023年1月時点では9.8%となっています。
コニカミノルタの多様性文化構築への挑戦 社員インタビュー
2019年からは女性活躍に限らずインクルージョンにも力を入れ、管理職約360名に心理的安全性の構築などを目指してEQ研修を取り入れてきました。当時の社長の山名さんにもインタビューにて、お話を伺っています。
「共感」から「共創」へ 新たな価値創造に向けて今こそ社員に必要な”感情”の力
また、過去にEQ研修を受講した方に、EQの活用について確認したところ、自分の判断に感情がどんな風に作用しているかや部下の意欲向上などに活用していると言う声が多くあったと伺いました。数年前に受講した方も答えてくださっているので、学んだことがご自身の力となり役立っていることが分かります。
グループ会社のコニカミノルタジャパンでも見えない多様性を認識し、心理的に安全な風土を創る!と言う目的で部下を持つ管理職の約300名に研修を実施しました。研修の中でもEQへの人気が高く、下記のような声が上がっていたそうです。
■EQが見えにくい”違い”を可視化してくれる→違うことを前提に考えられる
■聴くこと、声掛けなど日ごろの接し方に変化が起きた
■すぐに変化は起きなくても、励ましあう関係性が作れる
また、ちょうど研修がコロナ禍での実施でもあり、「対面のグループ討議が楽しい!」「こういう時間が必要で、EQをきっかけに異なるテーマに発展する」という声もあったようです。
高須さんは最後に、EQI検査を利用して行った組織診断から顕著に見えたことがあり、この結果は無視できない!と思い、これを念頭において研修を行っていきたい。そして、リーダーの在り方にも変化が起き、お互いの感情を考えるということが肝になってきており、EQがますます重要に。
一方で、管理職は一人で悩みを抱えていることが多いので、うまくネットワークを作りながら、組織を変えていく局面でもEQを活用していきたい、と語られました。
現場から変化を起こす、下剋上型?!日産自動車の取り組み
自ら会社に働きかけ、EQを自分のチームに取り入れてきた日産自動車株式会社の大和田さんからこの3年歩んできたEQジャーニーのご紹介がありました。
長い自動車産業の歴史を振り返って感じたことは、「会社っていつまでもあるわけではないかもしれない…」と、今そんな時代がやってきていることを感じていた。
これまでは主に課題解決型の業務が多く、ひとつひとつ解決していけばよかったという時代から、競争が激しくなり、価値創造型に変化してきている。一人の力だけではなく、共創の時代がやってきていると感じた時に気になったのが、職場の仲間たちの関係性はどうか?というところでした。
自分なりに取り組んできた課員50人との1on1で、それそれのメンバーの関係の質によって話す内容のレベルが変わることがあり限界を感じ始めた。その時に、【幸福度の観点から、“個の尊重”と“つながり”を焦点にしていきたい】と思ったのがきっかけとなり、EQを取り入れたいと自ら発信して職場の有志を巻き込んでいきました。
実際の取り組みから1年後、2年後と明確な大和田さんのお手製のビジュアルマップが描かれたロードマップと共に歩み、巻き込む人数も増えていき、1年目・2年目ではEQ診断で行うことが出来る組織診断で、注目していた共感的理解、感情の暖かさ、オープンネスの値が向上。
これは可視化できるものだけれど、見えないところでも上司が「若手が生き生きとやってくれているように見えた」「前向きな発言が増えてきた」など感覚的な変化も見受けられるようになったそう。
EQを学んだことでご自身も行動が変わり、それが仲間たちに変化をもたらし、相談してくれる機会が増えたと言っていたのは、このEQトレーニングを受けてこられた日産自動車株式会社の岩田さん。
日産自動車では4年目の挑戦が始まっています。
EQの定着、そして取り入れてから4年後の変化も目が離せないところです。
https://www.youtube.com/watch?v=FmQ0laxKpJ4
日産自動車株式会社・大和田さんと田山さんのプロジェクト事例紹介
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
事務局のアイズプラス・福島よりメッセージ
2019年事例発表会より、毎回少しづつ内容を変え実施していますが、
私が印象に残っているキーワードは、
2019年事例発表会:EQを伝えるには、諦めずに続けるのが大事
2020年EQ学び会:緩衝材(EQを学んだ人が緩衝材になれる)
2022年EQ学び会:インプット→アウトプット重視で行動・実践する
そして、2023年は「諦めずにやり続ける」「周囲への巻き込み」です。
改めて、纏めてみて感じたことは、新しい一歩を踏み出したり、自分の想いを伝えるためには、欠かせないものばかりだと思いました。
弊社ミッションである、「心豊かに働く」ことが誰もができるよう、EQのみならず引き続き発信していきます!
実践事例を発表してくださった皆様、ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
皆様からのアンケートを基に、アイズプラス代表池照が記事にしたものはこちらです。
併せて、ご覧ください。
https://isplus1.hatenablog.com/entry/2023/04/08/093607
レポート作成
EQ+LAB.編集長
Six Seconds EQプラクティショナー
杉山 夕希子