イケてる先生のEQ研究室 コラムニスト 池照佳代

「先生によろしくね。今だから意味がわかる授業」ー美道プロジェクトが育てる“折れない力”ー

アイズプラス池照のブログ【日々是Is’+】から

先週、特任教授として担当している美容芸術短期大学の後期授業が、
無事に終了しました。

期末課題の発表の時間に、教員として胸が熱くなる出来事がありました。

期末課題のテーマは、 「働く人にインタビューし、自らが感じ取ったことを
発表する」。例年、インタビュー相手は家族やアルバイト先の上司・先輩、
友人が中心です。
この授業を担当して5年。今年、数名の学生が選んだ相手は――
この授業の卒業生で、すでに社会で働いている“先輩”たちでした。

先輩たちは、学生からの問いに丁寧に答えたあと、
こんな言葉を残してくれました。

  • 「働いてみて、あらためてこの授業で学んだことの大切さを痛感しました。
    先生によろしく伝えてください」
  • 「インタビューに答える中で、自分にとって大切な軸を再確認できました。
    聴いてくれて、ありがとう」

これらの言葉は、私たちが探求してきた 『感情を基盤とした教育』が、
卒業後の社会において彼らを支える “折れない根っこ”になっている証だと
感じさせてくれました。

■ 学生たちが綴った「未来の仲間へのメッセージ」

後期の締めくくりとして、4月に入学する新入生へ向けた
「授業紹介」を書いてもらいました。

彼らの言葉は、単なる感想を超え、自らの授業体験をベースにした
言葉に溢れていました。一部を抜粋して紹介します

  • 「答えのない問いに向き合う時間は、最初は苦しい。
    でも、自分の感情を言葉にできたとき、働くことに勇気がもてる」
  • 「自分すら気が付かなかった心の核に触れて自己理解を深められる」
  • 「グループワークを通して、自分とは違う多様な考え方や価値観に出会える」
  • 「社会に出たときに本当に役立つ考え方を、身近な例を通して学べる」
  • 「美容の技術だけではなく、人としてどう在りたいか。それを考える時間が、将来きっと自分を助けてくれるはずです。」

そして中には、

  • 毎回が正解を自分で考える授業。正直社会人になることが怖い気持ちになる

という正直な不安や恐れを表明してくれた学生もいます。
教員として関わる側の私たちが、学生たちの洞察力の深さと
豊かな感性に学ばせてもらう時間だと、あらためて感じたものです。

■なぜ今、大学教育に「EQ」が必要なのか?(少し経営・社会視点から)

「美道プロジェクト」で目指しているのは、
単なる就職スキルの習得ではありません。

今、経営の現場では ・人材の流動化 ・価値観の多様化
・AI・テクノロジーの急速な進展 といった変化が同時多発的に起きています。

こうした時代において、企業価値を左右するのは「制度」や「戦略」
だけではなく、 そこで働く一人ひとりがどのように感情を扱い、
意思決定し、他者と協働できるか という“人の力”です。

その基盤となるのが、EQ(感情知性)です。

アイズプラスが専門とするEQ理論をベースに、 1年生後期・2年生前期の授業
では、 将来、組織や社会で価値を生み出す人材として欠かせない
次の3つの力を実践的に育んでいます。

① 自己認識
感情を手がかりに自分を理解し、 環境変化の中でも自律的に
キャリアを描ける土台をつくる。

② 対人関係構築
多様な価値観をもつ人々と信頼関係を築き、
チームや組織の成果につなげる力を養う。

③ 表現する力
自分の考えや想いを言語化し、 周囲に影響を与えながら、
ありたい方向へ物事を動かす力を身につける。

■世界が注目する「人間らしい力」

世界経済フォーラム(ダボス会議)のレポートでは、AI時代に価値が
高まるスキルとして 「感情知性(EQ)」や「レジリエンス(回復力)」が、
繰り返し上位に挙げられています。

AIがどれほど進化しても、

・自分や他者の感情の機微を感じ取ること
・複雑な人間関係の中で柔軟に合意を形成すること
・共感を通じて、強い信頼関係を築くこと

こうした“人間ならではの力”を代替することはできません。

アイズプラスは、 この「目に見えにくいけれど、人生を大きく左右する力」を、 教育の現場から社会へと実装していくことを使命としています。

1/28のダボス会議の記事です。
この記事については、来週ブログにします→
AIと若者:ダボスのリーダーたちが伝えたい3つのこと

Young people and AI: 3 things Davos leaders want everyone to know | World Economic Forum

■「自分も他者も大切に働く」世界をつくる

「美道プロジェクト」は、単に「知識を持つ人」を育てる場ではありません。
「感情を味方に、他者と共に生き生きと働く人」を育てる場です。

また、この授業は必修科目として位置付けられてろおり、
美容/芸術面の技術習得を超えて、
業界のリーダーとなる人材の育成を目指しています。

今年はいくつかの大学でも私のキャリア、そして
EQについて話す機会をいただいており、学校教育の中での
注目が高まっていることも感じています。

1年生の授業を修了した皆さんへ

15回の授業、お疲れ様でした!
毎回MoodMeterから始まる授業を通し、
自分の感情と向き合い、学び、時に不安になる気持ちを
開示くださってありがとう。2年生の授業では、
周囲との協働を中心に、さらに学びを深めていきましょう。

4月以降にこの授業と出会う新入生のみなさんへ

自分自身と丁寧に向き合い、他者の物語に耳を傾ける
プロセスを通じて、あなたの中に眠る「強さ」と「しなやかさ」
を一緒に磨いていきましょう。

この一歩は、きっとこれからの人生を支える大きな力になります。

株式会社アイズプラス
代表 池照佳代


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