外出禁止令が出てから一カ月以上が経ちました。
ここカリフォルニア、ベイエリアの学校は4月に入って早々、今年度(6月上旬まで)の学校休校が決定しました。
日本も全国的に非常事態宣言が出され、今までにない暮らしを経験されていると思います。
特に自粛して家族の為に頑張っている方、慣れない在宅ワークやそれを支えるご家族の皆様、休校の子供たちのお世話やコロナ不安など、そろそろお疲れが出てきているのではないでしょうか。
私自身も急に始まった外出禁止生活の最初の2週間、自分自身の感情との葛藤でした。
この自国ではない国アメリカで、医療破綻をした時に自分は助けてもらえるのだろうか。
自分がかかったら子供たちはどうなるのだろうか?
子供たちをコロナウィルスから守らなくては!
学校の勉強は?仕事は?治安は?
買い物には完全武装で行き、帰ってきたら商品は消毒。着て行った洋服は全て洗濯機へ、そして自分自身はシャワー。テレビやネットを見れば、暗いニュースが流れ、どこか痛めばコロナかも?と思いつめ、夜眠れない時期もありました。
今、アメリカでは親や子の感情に注目したメッセージやウェブセミナーが多く開催されており、今まで以上に感情が大きなテーマになっています。
オンライン授業がもたらしたもの
子供たちの学校は休校になってから2週間後にようやくオンライン授業がスタートしました。
ここ、シリコンバレーですらオンライン授業への切り替え、そして生徒全員にパソコンが配られるのにこれだけの時間を有し、更に授業が始まってからも色々な理由で参加出来ていない子供たちも居ました。
パソコンは持っていなければ一人一台、家にWi-fiがない家族も困らないようにWi-fiなどの取得方法が書かれた紙と共に配られました。
オンライン授業が始まってみると、音が割れていたり、先生の声が突然聞こえなくなったり、、、。
日ごろから授業でパソコンを活用していた先生も生徒も、全てをオンラインで行う環境に慣れるのに時間がかかりました。それでも高学年の娘の授業を見ていると、先生も「この操作が分からない。これはどうしたらいいんだろう…」などと生徒に助けを求め、詳しい生徒がすかさずアドバイスする場面なんかも見られています。
うちの学校は平日月~木曜日までは毎朝Googleクラスルーム内で朝のミーティング。
うちの娘たちは1年生と4年生。学年によって反応が違うのは見ていて興味深いものがあります。
低学年はお友達の顔が見られるだけで毎朝ワイワイ、キャッキャとそれぞれが限られた時間で話したいことを話すので会話になっていないことも多々見受けられますが、とにかく子供たちは友達や先生と繋がれる、顔が見られる喜びを表情いっぱいに、時には体中で表しています。
高学年になるとさすがに先生が来るのをきちんと待っていたり、ポソポソと話す姿も見受けられますが、それでもお互いに画面を通して会えていることの安心感があるのか、はにかみながらも嬉しそうです。
友人に聞いたところ、もっと大きくなると画面に顔を映したがらない子たちも出てきたりするそうです。
それでも子供たちが今までと変わらぬ先生やクラスメートと一同に会せるのは安心感を増幅させ、孤独や不安を遠ざけるのに役立っていることは間違いありません。
大人の心、子どもの心
オンライン授業で課題が出ていたり、無料のオンラインアプリを使った学びが推奨されているので、それをこなしていると大体午前は過ぎて行きます。
ただ、これには勿論問題もあって、我が家は午前中1年生の次女の授業、課題に付きっ切りです。
勿論これでは自分の仕事も家事も滞って当たり前です。物事がうまく回らなくなり始めると、全てが狂い始めるような気さえしてしまいます。
我が家は最初の2週間で荒れました。このままではダメだ!長期戦になりそうなのに乗り越えられない!と感じたとき、共倒れや家族総崩れを起こさないためにも大人の、特に子供と一緒に居る時間の長い大人の心のケアが必要だと痛感しました。私は元々編集以外の仕事も全て在宅でやっており、主人には「数年前から引きこもることを予測していたの?」と呆れられるほど道具を揃えた趣味のクラフトグッズもあり、家時間が大好きです。でも、それは邪魔が入らない時の話で、今のように外出禁止、家族も一緒、コロナと共に生きることを半ば強制的に押し付けられた今は全くもって当てはまりません。
【今、自分の心のケアは出来ていますか?】
日本で聞けば歯が浮くようなクサイ台詞も、不思議と英語だとかっこよく聞こえたりするのですが、ありがたいことに今まさにアメリカ人はCMでも、ダイレクトメールでも心に寄り添った内容をどんどん発信してくれています。
これはある学校の保護者に届いたメールですが、こんなことが書いてありました。
「保護者のみなさんへ、
学校の勉強のことでストレスをかかえないで!9月になったらちゃんと取り戻すから。
私は教師でそれが私のスーパーパワー。
でも直せないのは子供たちが負ってしまう勉強を嫌いにさせるような人や感情のトラウマ。
だから今親御さんたちには子供たちと穏やかで、強く、笑って過ごしてほしい。…略」
日々変わりゆく情報に向き合い、働き方も生活も変わってしまった大人たち。
自分自身の心に向き合い、感情を理解することではじめて周りの誰かをサポートしたりできるのではないでしょうか。
飛行機の有事の時の酸素マスクではないですが、自分のをして初めて周りの人たちを助けることができるのです。
どうぞ自分の心と向き合い、自分のケアをして、自分を追い詰めず、そして皆さんが周りの方々と笑顔で過ごせる時間が増えますように!