こんにちは!編集長の杉山です。
アメリカでも感染が確認されているCovid19(コロナウィルス)。私が住むサンフランシスコではいち早く非常事態宣言が出されました。マスクは元々売っているのを見かけないほどだったのですが、2月初旬、娘のお誕生日会のお返しギフトに買おうとしていた可愛いハンドサニタイザー(消毒用アルコールジェル)が軒並み売り切れていて驚きました。隠れ買い占めが起こっていたようで、他のお店にはある?と聞いてみましたがベイエリアはどの店舗にもないよ!と言われてしまいました。
とは言え、日常生活は変わらず平常営業の毎日。日本の小中学校休校と言うニュースを聞いて、自分に出来ることはないのかと問いかける日々です。
日本では子供たちの学校がお休みになる中、働き方について改めて考えた人は少なくないのではないでしょうか。
行政や企業、そして教育の現場がどのような対応に出るのかでその質を問われているようにも思いますが、こういう有事の際には人々の基盤でもある家族の助け合いやサポートがものすごく重要ですよね!
日本では積極的に育児に参加する男性を『イクメン』と呼びもてはやされますが、アメリカではそのような言葉は存在せず、イクメンは存在しません。
それはなぜか?
「子育ては母親の仕事」というステレオタイプな認識がそもそも存在しないからです。
欧米では自分たちの子供を自分たちで育てるのは当たり前のことと言う認識が根付いています。
うちの娘たちが通う学校は徒歩圏内に住んでいる人がほとんどなので、学校の送迎には多くのお父さん方を見かけます。ボランティアで成り立つ学校行事や遠足にも多くのお父さんが参加してくれます。
アメリカは先進国で唯一、国として「有給の産休・育休制度」を取り入れていません。1993年にクリントン大統領の署名で法律になった育児介護休業法、別名「FMLA=Family and Medical Leave Act」とも呼ばれるこの法律は新生児、新しく養子に迎えた子供、病気の親戚の世話、もしくは自分の深刻な健康問題からの回復のために無給休暇を保証するというものがありますが、実際の制度は民間企業任せです。ですが、2016年に民間企業で働く人のうち有給で育児休暇を取得したのは全体の14%にとどまり、出産した人が数週、数カ月で復帰するケースも少なくありません。そこまでしても働くお母さんが多いのは金銭的な理由もあるとは思いますが、やはりお父さん含め家族の意識の違いが大きく関係しているのではないかと言う気がしてなりません。
今は日本でも減ってきていますが、アメリカ社会は年功序列も終身雇用も存在しない顕著な競争社会。容易に育休を取ることもしづらいし、その点は日本男性と同じ感覚なのかなと思います。
でも違うことがあるとすれば、それはただ一つ【意識の違い】です。
働き方しかり、子育てしかり、生き方しかり。
きっと予期せぬ現状に行き詰まりを見せている親御さんたちは今多くいらっしゃると思いますが、【意識を変える】ことに目を向けてみると、今回の状況もまた違った捉え方が出来るかもしれません。数十年植え込まれたことさえも気づいていなかった意識を変えると言うこと。身をもってそんなたやすい事ではないことは知っています。でも自分自身を生きやすくポジティブチェンジを起こすのに今は絶好の機会かもしれません。