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Six Secondsコラム【感情の力を解き放つ】

イエール大学の心理学者でありイェール大学EIセンターの所長を務めるMarc Brackettが発見したEmotional Intelligenceへの重要なステップが【Permission to Feel:感情の許可】でした。

彼は思春期に自分の感情を閉ざしていました。近所の人からの性的虐待、いじめ、両親から感情においてはほぼ無視されて育ってきました。その結果、彼は恐怖、不安、怒りに悩まされました。この感情はとてつもなく巨大で複雑で自分に感情があることさえ認めることが出来なくなっていました。多くの人たちと同じように社会に適合するために感情を最小限に抑え、感情を無視していたのです。

ある時、彼の叔父のマーヴィンが今まで誰も彼に尋ねたことのない質問をしました。
「Marc、今どんな風に感じてる?」
この質問が彼の人生を一変させました。
「叔父が言った言葉だけでなく、言い方がだいじだったんだ。叔父はただ熱心に思いやりを持って耳を傾けてくれた。叔父が与えてくれたのは感じる許可だったんです。」
彼自身、”男の子は泣かない”、”感情的になってはいけない”などの無意味な感情神話を信じ切っていたのです。

複雑で痛みを伴う状況に直面した時、多くの人が自分の感情を判断し問題を大きくしてしまう。無意識ながら、これには協力なプロセスがあり、文化的な基盤のように他の誰かが別の見方をするまで疑問にも思わないものです。
人を判断しない叔父マーヴィンが彼に自分の感情の判断を止めるチャンスをくれました。感情を受け入れ、開放することが彼を感情理解の研究に進ませました。現在、感情の理解、人々がこのサイクルを打破する助けをしたいと言う気持ちが仕事となり、新しい本のタイトルになりました。

嫌な感情とどう向き合う?

感情を抑制してしまう人々の習慣を変えるには、感情、特に怒りや不安、悲しみなどの「悪い」ものについての根本的な仮定を考え直す必要があるとBrackettは言います。シックスセカンズのCEO、ジョシュアフリードマンが感情を「中立的なメッセージ」と見なすことを主張しているように、感情を自分から自分へのメッセージだと考えなおす必要があるのです。
シックスセカンズでもEQ開発の重要なステップの一つに、感情は行動と同じではないことを学びます。感情、思考、行動がどのように反応しあうかパターンを認識するのです。「Know Yourself:自分を知る」と呼んでいるもので、「感情すべてを感じる許可を自分に与え、浮き沈みを効果的に管理する方法を持っていれば感情はあなたの人生を豊かにする。感情は自分のありたい姿から遠ざけるのではなく、目標を達成するサポートをします」

どうやって感情に耳を傾けるのか?

Brackettの本『Permission to Feel:感情の許可』で彼は「感情科学者になるために努力すること、自分や他人の感情について探求するスキルを開発すること」を主張しています。「感情科学者は質問をし、感情を理解しようとする学習の姿勢であり、人の感情を抑制したり、変更しようとするのではありません。どうしてそんな風に感じるのかな?この感情は私に何を伝えるようにしているのかな?と問いかけるのです。そして習得した方法で、その感情を適切に利用し、調整します。」
Brackettは社会的及び感情的な学習へのアプローチであるイェール大学EIセンターのRULER(※)の主任開発者として子供たち世代を感情科学者になるように訓練しています。
感情を貴重なデータとして扱い始めると「EQ」の提唱者であるダニエルゴールマンが言うように、感情は全てへの力の一部となり得ます。「ほとんどの人が気づいていないのですが、感情は注意力、記憶力、学習力、判断力、意思決定の原動力なのです。人々が感情の持つ力を解き放てば、家庭、学校、職場で彼らの感情が成功や幸福に導いてくれるでしょう」

この一見単純なアプローチが途方もない違いをもたらすことを示唆する感情研究が今増えています。自分の感情を言葉で言い表すプロセスは認知脳と感情脳を連携させるEIの一例です。これは自己判断や自分の感情を拒絶している状況ではうまくいきません。Brackettは彼にとって叔父マーヴィンがしてくれたように、人々に感じる許可を与えたいと願っています。

感情科学者としての行動:感情の許可

まずは自分自身の感情から始めましょう。
「自分にすべての感情を許していますか。怒り、悲しみ、絶望、興奮や満足などの感情を感じていますか。」
他の人をどうサポートしますか。
あなたが親や教師なら、1つのステップは子供たちが感情を理解する助けが必要です。最初に感情を会話の一部にする必要があります。Brackettは彼の叔父マーヴィンのアプローチを実践することを提案します。あなたにとってのマーヴィン叔父さんは誰ですか。あなたは誰のマーヴィン叔父さんになりますか。
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(※)RULERについて、EQ+LAB.運営会社の株式会社アイズプラス代表・池照がブログにて発信しております。
そちらも併せてご覧ください。→日々是Is’+

注)このコラムは許可を得て、Six Seconds社コラムを意訳しています。
  本文はこちらからご覧ください。