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Six Secondsコラム【モチベーショナルインタビュー(動機づけ面接)】

モチベーショナルインタビュー(動機付け面接)
―変化をもたらすモチベーショナルインタビュー8つのスキル―

 

変化につながるような内発的なモチベーションを見つけるのは簡単なことではありません。

自分が“すべき”ことだと判っていても、行動を変えることができないことがよくあります。問題はモチベーション(動機)の不足なのです。

モチベーショナルインタビュー(以下、MI)は、人々が自分の行動を変えたいという内発的モチベーションを見つけることで、さまざまな選択をする手助けをするように設計されたカウンセリング手法です。カリフォルニア州サンディエゴに住む臨床心理学者のBill Matulich博士は、MIを何十年も教えてきて、「変化について人々と話す効果的な方法」と定義しています。

MIを理解するために、Mattの話で一緒に考えてみましょう。

 

Mattは10年間、毎年医者から「血圧が高すぎる。あなたは心臓病や脳卒中の危険にさらされている。あなたは本当に体重を減らし、喫煙をやめなければならない」と同じ話を聞き、変わらなきゃと分かっていても変われない自分に苛立ちを感じていました。医者もたくさんの患者に対し、同じことを言っていたが、実行する人がほとんどいないことに、苛立ちを感じていました。

しかし多くの患者は、もっと運動し、健康的に、そしてタバコを避けなければならないことを「知って」はいるものの、その習慣を変更する動機を見つけるのは想像以上に困難でした。しかしMIについての最近の72件の臨床試験の解析結果が、禁煙、アルコール使用の減少、体重の減少などの行動の変化について、MIが75%の研究で臨床的に効果を有することを見出すことができました。

では、どのようにしたら上手くいくのか。

健康の変化について医師が患者と話す方法を変えることで、変化への取り組みの成功は劇的に高まりました。このテクニックがMIなのです。

動機付け面接指導者ネットワーク(MINT)によると、4つの本質的原理は、協力(共同)、容認、共感、喚起です。動機付け面接は共同で実施し「専門家」の役割を避け、どのようにしたら行動を変えられるか、最善のアイデアはクライアント自身かが自ら見い出すものである、と信じなければなりません。これからご紹介する8つのスキルは、Six SecondsのEQ ModelやLearning Philosophyと多くと重なる部分があり、MIのセオリーを人生に役立たせるための助けにつながります。

1.オープンエンドの質問をする

マットにダイエットのこと、自分の指示に従うことが重要であると言う代わりに、 「何があなたの食事でうまくいっていると思いますか?」または、「どんな方法が過去、上手くいきましたか?」などの未解決の質問をする。

2.共感を示す

マットがやってきて変化することが「難しかったことを分かっているよ。」「一緒に解決の方法を考えよう」等、共感の声かけをする。これはEQスキルの「共感力の活用」にあたります。

3.肯定的なフィードバックを提供する

MIにとって極めて重要なのが肯定です。医師が「過去にあなたにとってどのような方法が有効だったか?」と尋ねた場合、マットは健康的に食事をしたり定期的に運動したりした経験について話すことができるでしょう。医者はその努力の価値、または継続的な努力を認めて肯定的にフィードバックを提供するようにしましょう。

4.自発性を引き出す

マットに禁煙や減量をするように伝えるよりも、彼自身に彼の問題は何かを考えさせる質問をするべきです。いろいろ違う方法で何が出来たか考えてもらいましょう。患者自身がプランを立てるともっと成功します。

5.考えや感情を一緒に振り返ってみる

患者が話したことをリピートするなどして、患者が何を考え、感じているのかを理解する。

6.相手の話を聴き、要点をまとめる

これは考えや感じた事を振り返るのと似ていますが、話した内容を一文にするよりももっと長い振り返りです。相手の話を聴き、要点を聴き手の言葉でまとめて互いの理解が同じであることを確かめるのです。例えば、「僕の理解では〇〇ということだよね」などです。

7.選択枠を提示する

患者が達成できない理由を述べたとき、達成できる道を探す手助けをします。ほかにも選択が沢山あることを伝えます。このようなスキルはEQの「楽観性の発揮」:クライアントが気づかない選択枠を示すことで本人の意思決定をサポートする、に値します。

8.一般的でなく「あなたの」解決策をつくる

これはより多くのオープンエンド型の質問をすることで自然な解決に導く良い機会となります。専門家としての見解を与えず、気づきを促すようにする事がとても重要です。医者は、『マット、君は、最初のステップとして食事日記をつけると言ったね。何人かの私の患者の中にもアプリが有効的だという人たちがいたよ。』

なぜMIがこんなに効果的なのか?それは患者自身が自らの治療計画を医者と共に作るプロセスだからです。

内発的なモチベーションを過小評価しないでください

Six Secondsの調査によると、内発的な動機付けを行うことが優れた意思決定をするEQスキルであり、MIはこの動機付けを行うための効果的な手法です。あなたがコーチ、リーダー、教師、保護者、あるいは変化を起こしたいと思う誰かの支援者であるならこれを試してどんな変化が起こるのかを見てください。

注)このコラムは許可を得て、Six Seconds社コラムを意訳しています。
本文はこちらからご覧ください。