EQ(心の知能指数) 「結果を見据えた思考」の活用 

EQ(心の知能指数) 「結果を見据えた思考」の活用 
営業力を高めるために大切なコトー

私が初めて「営業」という仕事に就いたのは、30代半ばを過ぎた時でした。ある日、上司から新規事業で営業部門を立ち上げるので、そこでやってみないか?という提案をもらいました。当時の私は、「営業」という仕事について理解が浅かったため、「営業」=「売り上げに追われる仕事」というイメージが強く、一番やりたくない仕事ですと言って、お断りをしました。しかし、周りからの説得もあり、結局、気持ちが向かないまま、新規事業の営業部門の立ち上げに携わることになったのです。
私の最初の仕事は、「テレアポ」。つまり、新規開拓で、電話をかけてアポイントをもらうことでした。しかし、電話をかけても、かけても、話したい人まで辿り着かないうちに切られてしまいます。気持ちはどんどん虚しくなっていきました。今から考えると、よくあれだけ何も考えずに、ただ単に「電話をかける」という作業をしていたなぁと思います。

単なる「作業」から「新たな出会いを生み出す営業」へ

日を追って気づきもあり、電話を切られないでアポイントまで辿り着けることが出来るようになってきました。

その気づきの一つとして大きかったのは、電話をかける前に「相手を知る!」ことから始めることでした。相手を事前に知っておくことで、相手との会話の内容に発展性が生まれます。相手も会話の量が増えてくると、気持ちを開いてくれるようになるのです。気持ちを開いてくれるようになると、その先を見据えて会話ができるようになります。結果として、アポイントの獲得率はグンと上がりました。。

気が付けば、私自身がこのテレアポを楽しんでやるようになっていました。その時、常に先を見据えて、時として結果まで見据えて考え行動を起こすことの大切さに気付きました。

私は、今、営業の仕事に限らず、どんな仕事をする時でも結果を見据えて考え行動することはとても大事だと思っています。EQのコンピテンシーの中に「結果を見据えた思考」(*1)がありますが、日々の仕事の中においても、「結果を見据えて思考」の活用の有無次第で行動が変わってくると思います。特に、「営業」は、ゴール(結果)の見据え方で、そこに至る対応が違ってくるのです。

営業が意識したい「結果を見据えた思考」を活用した行動とは?

営業の皆さんは、目標というゴールをもって日々活動されている方が多いと思いますが、ゴールへの到達の仕方をどのように組み立てていらっしゃいますか?

例えば、先に私がお話した新規事業は、学校法人向けの営業だったのですが、目標の売り上げ数字に対して、学校の予算は何月頃に組まれるのか?補助金申請はいつ頃なのか?などのお客様の立場に立った情報を得ることで、こちらサイドの売り上げに対する年間の組み立ても全く違ってきました。お客様の都合に合わせて、いつのタイミングで、どういった活動をすればよいのかをプラニングし、この精度を上げることで、営業としての結果に結びつきました。

アポイントを頂けたら、相手を知ることから始めます。情報収集のための事前勉強をします。初回訪問で契約を頂けることはかなり難しいと思っていますが、大事なのは、「次につながる結果を導く時間」を作り出せるかどうかだと私は考えています。その為には、頂いた時間を有益な時間にすることが大事ですし、先方にもいい時間だったと思って貰うことが、またこの人に会いたいと言う思いに繋がると感じています。

「営業」はどうしても「数字」だけを「結果」としてゴールに設定しがちです。目の前の「数字」を追いかけるために、自分の立場に立って物事を考えたり、進めたりしがちになることは、以前の私もよくありました。しかし、目の前のことだけを考える思考は、往々にして自分都合で考える思考が働くため、大切なお客様のことを考えて行動することを忘れてしまいます。自分都合ではなく、お客様の立場に立ち、お客様の気持ちを考えて、お客様の状況を見据えて訪問時の準備をすることや「数値のゴール」ではなく「お客様の立場にたった行動のゴール」を設定して初回訪問することで、お客様からは、また会いたい人という気持ちを持っていただける存在になってくると思います。そして、お会いする回数が重なることで、相手の想いや気持ちを汲めるようになってきます。気が付けば、大きなビジネスにつながる機会をいただけることもありますし、営業として、お客様に喜んでいただけて、お客様の笑顔に触れることができる結果導いてくれることも少なくありません。そして、それには、結果として数字もついてきていることが多いと実感しています。

30代半ばで一番やりたくない仕事で、気が向かないまま始めた「営業」ですが、

今は、「営業」という仕事と出会えたことで、自身の知識の幅も広がり、何より、素晴らしい方々とのご縁に恵まれてきていることに感謝をしています。

 

もし、営業を数字に追われる日々と感じていらっしゃる方がいるとすれば、

ちょっと視点を変えて、お客様の立場に立って、「結果を見据えた思考」を磨いてみるのはいかがでしょうか?

自分都合ではなく、お客様の都合にあわせた結果を見据えて、事前準備にいつもより少し時間を使うことで、私が体験しているように、「作業」から「新たな出会いを生み出す営業」へ、「数字に追われる営業」から「お客様に喜んでいただく結果を導くことができる営業」へと今までと違う営業結果を導き出せるかもしれません。

 

 

 

(*1)

『結果を見すえた思考』<米国Six Seconds EQコンピテンシー>

 自分がとろうとする選択肢のメリットとデメリットに関して、行動をとる前に考えることができること

2018年11月  (株)ハユルコーポレーション 堤 はゆる