成長型マインドセットを学ぶ子どもたち④

EQ+LAB.編集長の杉山です。
先日、アメリカの現地校は今年度最終日を迎えました。
オンライン授業に切り替わってから、先生やクラスメイトに会うのは朝のホームルームの約30分。そんな短い時間でも、子供たちは先生やお友達の顔を見ることでどれほど元気を貰い、笑顔になっていたか!自由に出歩けなくなってから、人と接することの温かさを身に染みて感じることが出来た貴重な時間でした。
先生をはじめ、誰もが予測しなかった年度末を迎えましたが、こんな状況下でも子供たちに寄り添う努力をし、沢山の声掛けをしてくれた先生や学校に感謝しかありません。最終日は、先生から、生徒から、共に熱いメッセージが飛び交い先生方も涙ぐむ姿が見られました。(もちろん私は隣で聞きながら感極まって感涙しておりました。)

今回、一年を通して【成長型マインドセット】を教えてくれた長女の先生に、授業に取り入れた経緯や子供たちの変化などをインタビューさせて貰いました。

どうして【成長型マインドセット:Growth Mindset】を取り入れることにしたのですか。

数年前に【成長型マインドセット】についての講演を聞く機会があり、とても興味を持ちました。
これは、何歳の子供たちにも使えるし、役立てることが出来るスキルだとすぐに思い立ち、自分のクラスに取り入れていくことを決めました。

どのように取り入れて行きましたか。

朝の会や少し時間がある時に【成長型マインドセット】を子供たちに浸透させるためのワークブックをやって貰いました。どういうことが【成長型マインドセット】につながるのか?自分たちが逆境に立った時にどんな風に立ち直るのか?自分たちで考えるワークの部分があったり、【成長型マインドセット】を持っている有名な人たちの経歴や経験を読んでどう思ったか書いて貰ったり...子供たちが沢山の時間を費やさなくても出来るワークブックがあったので、まずそれを取り入れました。

今年からは【Feel Good Friday Card】と言う、「友達の良い所を見つけて書く」「日ごろの感謝の気持ちを伝える」と言う取り組みにも挑戦してみました。休校になってしまって途中で終わってしまったのが残念です。
【Feel Good Friday Card】に関するコラムも是非ご覧ください。

生徒たちはどんな風に変わりましたか。

特に自身を振り返ること、自己肯定感にとても役立っていると思います。そしてそれが自信になっているのがはっきり分かるまでに変化が表れています。
そして【Feel Good Friday Card】ではなるべく「相手の素敵だなと思う事」を書くように促しましたが、それが仲間同士が助け合い、思いやりのある環境作りに役立っているようです。

これからどんな事に取り組んでいきたいですか。

現在学校や色々な場所で【SEL:Social Emotional Learning(社会性と情動の教育)】の必要性が言われています。【成長型マインドセット】と組み合わせて子供たちに取り入れていくことで相乗効果が生まれると思い、今勉強しています。

先生の持つ裁量権の大きさ

アメリカと日本の公立の学校で大きく違うことの一つに先生の持つ裁量権が挙げられます。
例えば【教室=先生のオフィス】となっており、経費が分け与えられていれば子供たちの机や椅子の新調なども先生が決めることが出来ます。お金がない学校や裕福でないエリアの学校は寄付なども集められないため、先生方が自分のお財布から出しているなんてことも珍しくありません。
他にも寄付金募集サイトなどクラウドファンディングなどを利用している先生もいます。
授業についてはカリキュラムやイベント、大きな課題などは学年や学区などで決まっていますが、それさえやっていればどう進めるか、どんなことを取り入れるかなどは自由なのです。

今回【成長型マインドセット】をクラスに取り入れようとしたのは自分の意思とのこと。
現在この【成長型マインドセット】をはじめ、先生がインタビューでも答えていたSELなど感情教育が多く言われているので、取り入れている先生も多いそうです。
以前EQ+LAB.でご紹介したRULERの取り組みも学校教育にEQを浸透させるためのものでした。

オンライン授業に切り替わってからも毎日授業の前に【今日の質問】が皆の共有画面に出て来ていた長女のクラス。「コロナになって自分の感情はどう変わったか?」「Share Kindnessの為に人は何ができるのか?」「偉くなったら何をやりたいか?」「学校に行けなくなってどんな思いを感じているか。」など興味深い質問が書かれており、ミーティングの時間にみんなで共有するのが日課になっていました。
みんなが何を思い、何を考えているのか共有することで、「それいいね!」「面白いね!」「そうだよね!」などポジティブに傾聴し、共感する姿はより良い方向に立ち向かう心を育てる授業になっていたように思います。

 

一年を通して、【成長型マインドセット】を学んできた子供たち。
先生の言う通り、まだまだ戸惑い、時には折れそうになりながらも立ち向かってきた娘を見てきて、この一年で自信をしっかりつけてきたように思いました。
現在、コロナの感染拡大で休校を余儀なくされた子供たちにとって【成長型マインドセット】を含めてEQの教育への必要性は重要視されています。子どもだけでなく、子供と関わる全ての大人たちがEQを学ぶことで、子供が感情を閉ざすのではなく、有効に使う方法を指し示して行かなくてはいけないのだと改めて考えさせらています。

成長型マインドセットを学ぶ子どもたち③、
Six Secondsコラム【子供たちに教える『成長型マインドセット』9つの方法】も是非合わせてご覧ください。

EQ+LAB. 編集長
杉山夕希子

7月4日にEQ+LAB.を運営している株式会社アイズプラスでは、
オンラインセミナー【子育てEQ~子どもの気持ちを理解する”みつめる力”を学ぶ~】を開催予定です。
詳細はこちらをご覧ください。
https://is-plus.jp/archives/7475