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【鳩子×鳩ばぁシリーズ】欧米では当たり前?!感情教育ってなに?

こんにちは!鳩子です。
前回の【鳩子×鳩ばぁシリーズ】EQは誰に必要なの?の最後に
「アメリカの学校では大なり小なり感情教育が取り入れられている」
って鳩ばぁが言ってたけど、感情の教育ってどういうことなんだろう?
何でそんなに広まってるの?
私も子供を持つ親としては興味津々です。鳩ばぁに詳しく聞いてみようと思います。

 

鳩子:鳩ばぁ、この間アメリカの学校では感情教育って言うのがある!って話してたでしょ?
それって小学校でやってる【道徳】みたいなことなの?
なんでそんなにアメリカとか他の国では広まってるんだろう…
EQと感情教育ってどう違うの?どんなことをしているの?私にも出ることある?

鳩ばぁ:今日は質問攻めじゃな。

鳩子:私も子供を持つ親としては良いと思えることはやってあげたい!
今EQを学びながら、これってビジネスだけじゃなく親子関係、家族関係、友人たちとの関係、全ての人間関係にも役立つし、きっとEQを幼いうちから学んでいくことで生き抜く力とか生きて行くのに必要な土台を育てられるんじゃないかと思えたの。

 

鳩ばぁ:良い所に気づいてくれた!鳩子ちゃんのいう通りじゃ。EQを学び、実践し始めると鳩子ちゃんと同じように考える人が多いんじゃよ。
「息子ともっとしっかり話が出来るようになりました!」とか、「夫婦での対話が増えて、幸せです!」とかはよく聞く感想じゃ。
つまりEQって言うものは大人だけでなく、子供のころから学び、それを実践していくことで自分と言うものが理解出来て、適切な行動や目標達成に繋がっていく。すなわち将来的にも人間として生きて行くのに役立つスキルと言えるじゃろう。

鳩子:やっぱり!

鳩ばぁ;それじゃぁ、EQとSELはどう違うのかって話じゃが、EQは前々から話している通り感情知性のことじゃ。
SELはSocial Emotional Learningの略で、子どもたちの感情を尊重し、自己理解、他者理解、感情のコントロールを学び、より良い人間関係構築、より良い意思決定へと導く教育のことなんじゃ。

つまり一言で言えば感情教育なんじゃが、EQ教育とも呼べるかもしれんな。よく「日本の学校でやる【道徳】と同じですか?」と鳩子ちゃんのように聞いてくる人が居るんじゃが、道徳って言うのはこんな定義があるんじゃ。

教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき,自己の生き方を考え、主体的な判断の下に行動し、 自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性 を養うことを目標とする教育”

似ているようで、SELは道徳とは少し違うのじゃ。一番大きな違いはSELは自己理解、自己認識から始まるってことなんじゃ。セルフサイエンスとも呼ばれるこの自己理解はEQにおいてとても大事な事じゃ。自分は今どんな感情を抱いているのか。この感情はどんなメッセージをあなたに届けているのか。自分がワクワクするのは何なのか。自分の機嫌を左右しているのはなんなのか。これはトレーニングと一緒じゃ。最初から自分の感情に気づきうまく対処したりより良い行動に変換出来る子どもたちもいるが、一方で多くの子供たちがそれを出来ずに行動や学習面で大きな問題が起きてくる。人間関係もじゃ。でも知ろうと練習することで感情を敏感に、そして的確に判断出来るようになるんじゃ。

それの何がいいのか?って事じゃが、自己理解を続けることで、自分の機嫌を取ることが出来るようになる。そして自分の感情や機嫌が、自分の行動や判断にどう左右し、そしてそれが自分や周りに及ぼしている影響に気づけるようになるんじゃ。

鳩子:自己理解の大切さはEQを学んで初めて知ったよ。自分自身の感情に耳を傾けることって向き合おうとしないとしないものなんだよね。今はEQを学び始めて、自分の感情の動きや感情が引き起こしている自分のパターンを知ったからコントロール出来るようになってきたけれど。知らないままだったら私どうなっちゃってたんだろう…いつも不機嫌で、いつも自分のやったことに後悔したり、すっきりしない毎日を過ごしていただろうなって思うよ。

鳩ばぁ:そうなんじゃよ。多くの日本人はそうやって生きてきたんじゃ。感情に蓋をして一生懸命学べ!真摯に働け!みんなと共に生きよ!そうやって感情を押し殺してきたんじゃ。じゃが、その代償は大きい。感情に蓋をしてしまうことで、種のように小さかった感情はどんどん積み重なって、何かきっかけがあると爆発して振り切れてしまうんじゃ。
大人になればそれも理性とか常識と言う言葉でなんとかやり過ごす術を覚えるのかもしれん。が、それは幸せなんじゃろうか。どこかでモヤモヤから抜け出せない、心を病んでしまう、そんな大人が増えている要因かもしれん。そして、そんな大人に育てられる子供は幸せなんじゃろうか。心豊かに過ごせているんじゃろうか。

鳩子:耳が痛い…。

鳩ばぁ:ここでなぜ欧米ではこのSELが学校教育に取り入れられ始めているかって言う話をしよう。
まずEQと言う理論が生まれたのが1990年代。時を同じくしてアメリカではCASELと言うEQを教育に取り入れようと言う団体が活動し始めたんじゃ。今では他にもいろいろな団体がSELを推奨しているが、CASELはEI(Emotional Intelligence)と言う本の著者であり、EQを世に知らしめた第一人者であるダニエル・ゴールマンが創始者の一人なんじゃ。
どうしてこれが始まったかと言うと、学校教育プログラムの効果が上がらない、学校間のプログラムの調整の難しさを感じ、若い世代の問題を解決し、効果的に教育を行える環境を作るための土台として感情教育の導入してみようという事になったんじゃ。鳩子ちゃんも知っての通り、アメリカと言う国はものすごい多民族国家じゃ。

鳩子:私も親友に聞いたよ!彼女はアメリカで娘さん達を小学校に入れてるけど、小学校2年生の娘さんのクラスの20人近いクラスメイトはそれぞれが別の国や文化、宗教の違いなど誰一人として一緒じゃないって言ってた。多民族国家だってことはそれなりに知ってた。でも実際どの程度のものかは知らなかったから、そんな世界があるんだって驚いた。

鳩ばぁ:そうなんじゃ。そんな多様性だらけの中で、授業を受け生活をする。そんな国や文化や宗教が違う相手の感情を知ろうと思ったってそれはたやすいことではない。貧富の差も激しいし、昨年の夏は差別問題が明るみに出た。いや、黒人にとっては昨年の夏の話なんかじゃなくて、何十年も何百年も根強くある差別問題なんじゃ。そんな多種多様な生徒たちを纏めて授業をする先生も大変じゃろうな。そこで鍵となるのが感情教育なんじゃ。感情を学び、それを活かし、より良い選択をすることで自分にとってはもちろん、周りにも良い影響を及ぼして行くって言うのは簡単な事じゃないけれど、一人一人が感情について学び、自分を知り、考えることで、より良い環境が作られる。お互いが思いやったり、認め合ったり、リスペクトしながらお互いが育っていくんじゃ。よく聞くかもしれんがEQはいくつになっても伸ばすことができるスキルでいくつからでも始められる学びなんじゃ。
実際にSELを取り入れEQスキルを高めることで学力が11%向上したと統計で明らかになったんじゃ。そしてEQスキルの高さと人生に対する満足度・納得度は比例することも長年の研究で分かったんじゃよ。

鳩子:なるほどね~。感情を理解し、そこからの情報をキャッチする感度の高いアンテナを小さいうちから働かせられるようにしていくことで、自分の目標や夢に向かってより良い選択や行動を起こせるってことなんだね!そしたらそりゃ人生の満足度は高まるよね!

鳩ばぁ:そうなるんじゃな。でもこれはいくら学校で先生が教えたとしてもそれだけではうまく行かない。だからSELをベースに授業を行っている学校シナプス(※)では親への教育も継続的に行っているんじゃ。その他の学校でも親へのメッセージやセミナーなどで親への啓蒙を行っているところもあるんじゃよ。子供の成長や教育には周りの全ての大人が関わってるんじゃ。

鳩子:EQの高い子供を育てる為にも、親や教師がEQを知り実践していくことが大事なんだね!

鳩ばぁ:EQが高まると大人の顔も輝きだすぞ。そんな大人たちに囲まれ幼いころからSELでEQを学ぶ子どもたちはどんな大人になるじゃろうか。

鳩子:前にEQ研修で講師の先生が言ったの。「EQはOSのようなものだ」って。環境によって左右される部分も勿論あるけど、OSとして良い状態にアップデートし続けることで、きっと心豊かに生きて行くための人としての土台が出来るんだよね。

鳩ばぁ:そうじゃ、そのとおりじゃな。実際に学校でどんな授業を行っているかもここにリンクを貼っておこう。家で、学校で簡単に取り入れられることもあるじゃろうから、やってみるといい!

鳩子:鳩ばぁ、今日もありがとう!子供たちに伝える感情教育。是非家でも出来ることからやってみるよ!

※シナプスはアメリカ、カリフォルニア州シリコンバレーに位置する小中学校です
ここはEQグローバルネットワークであるSix Seconds社が立ち上げた、EQをベースにした学校でセルフサイエンスの授業があったり、EQ・SELをベースに全ての授業が成り立っています。

【鳩子×鳩ばぁシリーズ】過去の記事はこちら★
教えて!EQってなぁに?①
教えて!EQってなぁに?②
教えて!EQってなぁに?③
EQは誰に必要なの?

SEL(感情教育)についての過去の記事はこちら★
感情の持つ学習効果
オンライン授業で挑む【感情教育】
成長型マインドセットを学ぶ子どもたち

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